皆さんこんにちは、行政書士講座のフラッグです 今日も、前回に続き、憲法の判例です。

 大阪市交通局は、地下鉄車内で、商業宣伝放送を行っていた。

 この地下鉄で通勤していたXは、宣伝放送の差し止めと、慰謝料の支払いを求めて出訴したという事件です。

 これに対して最高裁は、「本件宣伝放送を違法ということはできず、大阪市は、不法行為、債務不履行の各責任を負わないとしました。」

 この判例は、行政書士試験では出題されていないと思います。まぁ~マイナー判例といってよいと思うのですが、

 ブログで取り上げたのは、憲法算数の練習になるかと思ったからです 

 本件のように、列車内の放送は、その利用者において、聞くことを拒否する自由を事実上有しないという点で、「とらわれの聴衆」 「とらわれの聞き手」と呼ばれています。

 まず本件で、Xの利益をどのように考えるかですが、最高裁ははっきり言っていませんが、「静穏のプライバシー(心の静穏を乱されない利益)と考えましょう。

 さて、本件における放送行為が、かかる利益を違法に侵害したといえるかが、問題の核心となるわけですが、

 まず、① 放送の内容が、安全運行確保のための放送であったとしたら?? (「やむを得ず急停車することがありますので、お立ちの方は、つり革につかまってください!」)

 いくらとらわれの聞き手といったって、そのくらいは我慢してしかるべきだろう 

 では、② 放送の内容が、営利内容丸出しだったら??(「パチンコ〇〇店です!新台〇〇50台導入バリバリ出します取らせます」)

 おそらく違法でしょうね 

 さらに、③ 広域的なシェアを持つ広告主による、生活情報(日常生活に役に立つヒントや生活の知恵の類)であったとしたら??

 確かに宣伝放送だけど....違法とまでは....ちなみに本件では、これでした。そしてその目的は、大阪市のお金儲け?ではなく、大阪市の財政窮乏のもとでの運航の安全確保でした。

 要するに私が何を言いたいかというと、わかりましたか?? 本件における放送行為を、どのような事情が違法という評価を導きやすくするのか? また、どのような事情が、適法という評価を導きやすくするのかといった、憲法算数、連想ゲームができますか?というネタになるというわけです。

 ちなみにこれは、平成23年度のパブリックホーラムと、同じですけどね。パブリックフォーラムという事情が、表現行為を、できるだけ適法とすべき事情として働く。

 本件で、列車内の放送という事情は、放送行為の違法性を基礎づける事情となるでしょう。しかし、本件では、大阪市の財政窮乏のもとでの安全運行のための、生活情報でした。最高裁としては、それくらいは我慢しろということなわけですね。